さちゅりこん2――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧

穴と星

以前学生に教えてもらった『メイド・イン・アビス』という作品は、絵も綺麗だし話も面白そうである。第一巻しか読んでないので、何ともいえないけれども、こういうものを読んで育った若者たちは、きまじめにはなりそうである。 この話は、地の果てまで開いた…

文章としての絵

宮谷一彦の『性蝕記』はCOM増刊のものをどこかで買って持っているのであるが、読み終わるのに結構時間がかかった記憶がある。「太陽への狙撃」という当時の学生運動をネタに描いたものなんかも、『共犯幻想』などがスピードを持って読めるのに、宮谷氏を読む…

とれめんだす

G20のトランプの記者会見見たけど、とりあえずこういう人たちって体力ありますよね……。tremendous! わたくしもtoughな男になりたいものだ。

最終的に終わった(全てに傍点)

福冨正美氏の『共同体論争と所有の原理』という本のあとがきをたまたま読んで、氏が55年以前の、氏の言う「火炎びんおよび山村工作隊に象徴される」学生運動に関わっていたことを知ったが、その書きぶりはかなり悲しげである。この書がでたのは1970年…

Der Untergang des Abendlandes

今日は、授業でシュペングラーとかニック・ランドとかゲーテとか、ビートルズとか……とりとめもなく展開……。 わたくしは、シュペングラーの「思想家には選択の自由がない」という言葉が好きである。すごい自信だと思うし、そしてこの自信が確かに妙なことを言…

捕物帖とハイウェイ

石ノ森章太郎の『佐竹と市捕物控』は、傑作として知られているが、読んだことがなかったのでこの前「闇の片足」という短篇が入っている本を読んでみた。流れるようなカメラワークですごかった。 わたくし自身は、あまり時代物を好まない。そこにあるナルシシ…

水棲人と自転車

星野之宣の『ブルーシティ』の水棲人は、「第四間氷期」のそれに比べてガーゴイルのような容貌をしている。「マンガ夜話」で岡田斗司夫が言っていたが、SFには根本的に選民思想的なものがあるということだ。確かにそうかもしれない。安部公房のそれが選民…

執行猶予

長谷川如是閑が昭和21年の『人間』に「戦争と文学者の責任」というのを書いているのであるが、――こういう穏当なことをいうおじさんをどういう風に扱うか我々の社会はよく分からないのではあるまいか。 如是閑が言っていることは、文学は、社会に対する認識を…

裏返った世界

2010年の映画「ノルウェイの森」は、確か内田樹も言っていたように思うが、松山ケンイチがぼそぼそ呟きながら声がうらがえって、もう少しでヘリウム史郎になりかけるところなど、原作から出てくる「裏返った」感じが良く出ているように思う。松山ケンイチが…

Norwegian Wood

村上春樹の「ノルウェイの森」の映画版を見たので、小説を読み直してみようかと思った。思っただけ……。十代のわたくしの読書は誤読の山だ。村上春樹もどうせ滅茶苦茶に読んでいたに違いない。

形態形成の力学理論

ルネ・トムの『形態と構造』のなかで、カタストロフの曲面に対応する代数的モデルの一覧が興奮させる(文学的に)。 折目 しわ(カスプ) 燕の尻尾、またはクルノード 蝶 双曲型へそ 楕円型へそ 放物型へそ

ロマン的加速主義

今日は、講義で加速主義とロマン主義の話をする。啓蒙主義が形式主義的になり、その形式を用いた浪漫主義が啓蒙への反発として起こることの繰り返しが近代社会の歴史である、というのは、わたくしが高校一年生の時に、偉そうに友に語ったご高説であるが、今…

暗黒+×授会

『現代思想』の加速主義特集で、ニックランドの「暗黒啓蒙」訳しているのは……、なんだか予想通り、五井健太郎氏であった。 教授会で疲労蓄積……

いつまでもいつまでもその国はさかえたと

1942年の映画「アラビンナ・ナイト」はユニバーサル初のカラー映画らしい。楽しい映画である。不勉強で良くわからんが、砂漠の印象とかも手伝って、なんだか「スターウォーズ」なんかにも影響を与えているような気がした。そういえば、アメリカ映画「スター…

見たてまつるわが顔にも移り来る

気高くきよらに、さとにほふ心地して、 春の曙の霞の間より、おもしろき樺桜の咲き乱れたるを見る心地す。 ここの描写はむしろ平凡と言うべきだと思うが、 あぢきなく、見たてまつるわが顔にも移り来るやうに、愛敬はにほひ散りて、またなくめづらしき人の御…

疲れたので寝る

佐藤春夫へ

大久保典夫氏の「「『風流』論」をめぐる断想」という佐藤春夫論があるが、確か昔読んだはずなのに全く記憶に残っていなかったので、――再読してみると、本題に入るまでが長くエンジンがかかってきて直ぐ終わる。これが記憶に残っていなかった原因ではなかっ…

Épisode de la vie d'un artiste

Serpent & Ophicleide - Symphonie Fantastique V. (extract Dies Irae) 最近のお気に入りは幻想交響曲。中学生の時も好きだったが、いまはもっと気に入っている。今日は、神奈幸子の『ミスターセイント』を読んだせいで調子が狂った。

獄中十八年

徳田球一と志賀義雄の『獄中十八年』をめくってみた。まだ徳田球一の前半しか読んでないが、なかなか面白い。同志市川が一度仮死して葬式で生き返ったくだりなどなかなか面白い。監獄から出てくるときの描写もよかった。

新反動と嘘

木澤佐登志氏の『ニック・ランドと新反動主義』を読む。触れられているのは、オルタナ右翼の起源であるが、我々についても考えてみたいものである。 映画『エイプリルフールズ』を録画で見て、それなりに面白かったのであるが、――我々は、少しの嘘が多少の幸…

た2

体調を整えながら田村隆一などを読んでいたが、田村隆一の年譜を見ていたら、明治の文芸科に入ったときの面接官が、吉田甲子太郎がいて「教員にもなれないけどいいか」などと聞いたそうである。いまなら、「教員になろう」みたいなことを面接官が言ってしま…

授業はいつも最高密度の犬どもだ

犬どもはううとうなってしばらく室の中をくるくる廻っていましたが、また一声 「わん。」と高く吠えて、いきなり次の扉に飛びつきました。戸はがたりとひらき、犬どもは吸い込まれるように飛んで行きました。 ――「注文の多い料理店」 宮澤賢治の作品は、全体…

MKK

免許更新講習……。 いろいろと問題あり。

なにもなし

犬が鳴いている

ササキバラ・ゴウ氏の新書をのぞく。

a2

東浩紀が三里塚闘争について書いていた文章を読んだ。 荒又重雄氏の『賃労働の理論』を少し読む。

野分

秋の空にしもこそ欲しげなりけれ。暮れゆくままに、ものも見えず吹きまよはして、いとむくつけければ、御格子など参りぬるに、うしろめたくいみじと、花の上を思し嘆く。 確かにお花は心配である。

怪獣遊びは誰のものか

最近は、ハリウッドでもマーベルコミックスなどが盛んに映画化されていて、たぶんそれでないと回収できないと思われているためであろうか。バットマン、アイアンマンとかなんとかが、結構難しい内容を扱っているようでもある。 「パンズラビリンス」でファシ…

類ひ

五日、六日の夕月夜は疾く入りて、すこし雲隠るるけしき、 荻の音もやうやうあはれなるほどになりにけり。御琴を枕にて、もろともに添ひ臥したまへり。 萩の音がするからといって、お琴を枕にしてはなりません。そこの二人ちゃんと練習しなさい。 かかる類ひ…

道化の姫の親

「何か、そは、ことことしく思ひたまひて交らひはべらばこそ、所狭からめ。大御大壺取りにも、仕うまつりなむ」 近江の君というのは漫画やドラマなどでも道化みたいに描かれているが、道化というのはなにか差別的なニュアンスがあり、ちゃんと一性格者として…